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昼寝 / asobitsuchiya


夢。眠りながら見る夢。
2013年。
人間は、とうとう自由に夢をコントロールする技術を開発しました。
それはシステム化され、僕のアドレスにセールスのメール。
それを読んで初めて知りました。
「そんなことになっていたのか!! NASAなぁ〜。さもありなん」

思い通りの夢を見るなんて! 夢の発明だ!!

添付URLを踏んでみると、詳しい説明が載っていました。
寝室にそのシステムを取り付け、
寝る前に寝室の端末に希望の夢を打ち込む。
タイピングが苦手ならマウスで延々クリックして夢を設定。
好みの夢を99件まで記憶させることが可能らしいです。
なんと値段の欄は自分で払いたい額を打ち込む様式になっていました。
10桁までの半角数字を任意に。

画面を前にして、困ってしまいました。
いくら払えばいいんだろ。

これを手に入れれば、夢の中で僕は大金持ち。
入浴や食事の時間が少しでもズレることを嫌う妻も、
物欲と権利意識ばかりの子供も、自己顕示欲の塊と化した親も、
夢の中にはいない。

洗練された友人。
美しく従順な妻。
親孝行な息子。
決して自分からは連絡を寄越さない両親。
広い家。自慢できる名刺。恋人たち。

スバラシイ!!
これならいくら現実が惨めで冴えなくて苦しいものでも耐えられる。
家に帰って布団に入れば夢のような夢の時間が待っている。
いや、現実が散々である方が、かえって夢が際立つような気がする。
夢がバラ色である為に、
現実は中年男100人の下着で煮出した汁ような、そんな苦いものであるべきだ。

$10,000と打ち込み、クリック。
「Thank You!!」
こちらこそありがとう!!
システムの取り付け工事を済ませば、
その晩から僕の夢が叶うんだ。
工事の日が待ち遠しい。

取り付け工事の日までは、地獄の日々だ!
理想の夢を見られるようになると知っただけで、
何もしていないのにそれだけで、現実は惨めで渋い味だ!
傘差しながらの自転車で転んで現実。いいぞぉ。
車に泥かけられて現実。いいぞぉ。
ザックのジッパー開けっぱなしで自転車→
     ヘンゼルのパン屑みたく中身てんてん現実!!
よぉし、いいぞ現実!!
もっとしょっぱく!! もっと退屈に!!
夢の夢システムが僕の部屋につくんだ。
夢を楽しむ為に、現実はダメじゃなきゃ。こうでなくっちゃ。
ああ、工事の日が待ち遠しい!!

そこで目が覚めました。


おわり




あとがき


昼寝 / isbsh


現実は息子なんていないし、それどころか奥さんさえいません。
物欲と権利意識だらけの息子でも、
ルーチンに縛られてしまった妻でも、
家族がいるなんて夢みたいな夢だ。

見たい夢を見られるシステムがあったら、やっぱり買いたくなると思います。
で、いくらまでだったら買うだろうか? っていうのがこの話の本題でした。

10年ぐらい使えて、100万円ぐらいかなぁって思いました。

でもそんなもの買ったら、僕ん中で現実の価値が下がっちゃうかもなあって話でした。


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